占う人たち:
婀聞マリ /
Ecstasy Tarotblade

 

About Fortunetelling

✓ 占いをはじめたきっかけは?

実践魔術との出会いがきっかけです。「魔術に興味があるならなにか一つ占法を身につけておくと良い」とどこかで読み、タロットを始めました。はじめは周囲の友人たちに「なんか聞きたいことある?」と声をかけてカードを引く、というのを繰り返していました。

 

✓ 占いのスタイルは?

トートの9枚引きです。3枚×3段で。ETBは2人ともそれが基本のスタイルになっています。

 

✓ 占いを行うときに気をつけていることは?

聞く、ということを大事にしています。目の前のクライアントが語る言葉を静かに聞き、その場に出たカード全てに目を配り、虚心に読む。なにか言うのはその後です。ある種の誠実さを大事にしたいということだと思います。

あとは、クリアなリーディングを行うことを意識しています。あれこれ言って散漫になれば、クオリティは下がります。占いというと何かを「言う」ことが重視されがちですが、クライアントに問いかけて、考えてもらうことこそが重要なときもあります。

いま本当に問題にすべきことはなにか、自分自身のなかで答えを明確にすべきことはなにか、などを。

 

✓ 占いのGood and Badは?

Good:占いは、Googleなどの検索エンジンのようなものです。あらゆることを問いかけることができます。マジカルなツールを手にして何かするおもしろさを味わえます
Bad:やりようによっては、人を支配する方法になることです。

 

占い師としての人生を振り返って、想うことは?

いい占いがどれ程できているか、を思います。セッションが終わった後、ぼんやり風化していくのではなく、クライアントの「このさき」になんらかの変化を引き起こすきっかけになったかどうか。

「今年後半がどんな感じか見たい!」といった、おみくじ的なさくっとした占いであれば、なにかおもしろいことが言えているかどうかが気になったりもします(笑)。いい占いって、基本的に聞いていておもしろいので。

 

✓ ETBに占ってもらうには?

TwitterFacebookでコンタクトをとっていただければ良いかなと。対面での個人鑑定も、宇城さんと婀聞それぞれで対応してます。あとは、イベントでタロットブースを出しているときやBARDS TOKYOのギャザリングで声をかけてもらえれば。

About You

✓ 占いでデュオというのは珍しいと思います。どうですか?

そうですね。私自身も初めは一人で行っていました。BARDSでギャザリング等を企画していく中で、複数人でわいわい話しながら考えると面白くなるとあらためて気づかされ、タロットリーダーとしてもチームを組んで活動したらどうかと思いつきました。

 

✓ 「正しいタロットからの逸脱」「酔っ払って占おう」といった刺激的なワークショップを展開されてきました。その発想や目論見などについて教えてください。

「正しいタロットからの逸脱」では座学や講義よりも、体験を重視しました。「ディープコミュニケーションタロット」という瞑想的な技法を皆で行ったり、参加者の方同士が組になってお互いを占い、どんなリーディングになったかをそれぞれ発表したり。「ETBの2人はどういう風にリーディングをしているか」等も具体的にお話ししましたが、座学や講義メインではなく、参加者の方自身が何かを行い体験することを重視しました。

このWSをするとき、宇城さんとは『ニューロマンサー』や『解体屋外伝』の話になってました。この小説に出てくるハッカーやデプログラマは広大なサイバースペースなりクライアントの内面なりへジャック・インして、そこで彼らの仕事をするのですが、タロットリーダーにとってはそれを行うためのツールがタロットであり、入った空間がどんな光景であるかがカードに現れる感じよね、等。

 

「酔っ払って占おう」は、誰でも来られる遊び場を設けて一日自由に楽しもう、的な発想でした。開催時期が2月で、年が明けて日も経っていなかったので、なんとなくおめでたい雰囲気で「ほろ酔い春節T.A.Z!」「この日高円寺は直感解放区!」とわーわー言って。

タロットリーダーとして活動するなかで、「占いは占い師じゃないとできない」みたいな考えが広くあることを実感するようになり、そこを解体していきたいという意図がありました。

占いは遊びでもあり、誰が行ってもよい自由なものです。感性的なものなので、アーティスト、ミュージシャン、ダンサー、アートやファッションに関心がある人たち等とクロスしていけたら一層おもしろくなるのでは?と思っていたため、普段占いをしない人も気軽に来られるような場づくりを試みました。

実際の来場者の方のうち、何らかの占いをしている方と、そうでもない方の割合は3:1くらいだったかと思います。あの場ではじめて自分で占いをした!という方も出てよかったなと。

 

✓ 「正しいタロットからの逸脱」とは、どういうことでしょう?

タロットデッキ78枚の意味は憶えないといけないとか、専門的で高度な知識を修得した人でないと占いができないとかそういうことじゃない、ということです。お酒に酔った状態での占いはよくないとか、タロットは必ず浄化しないといけないということでもありません。

こういったことで形づくられた認識からは自由な立ち位置で、ミニマルでエフェクティブなタロットをやっていきませんか、と。逸脱、脱獄、変容といったことに与するタロット。

 

✓ 「酔っ払って占おう」では、本当に酔っ払って占えましたか?

それはもう。

 

✓ 婀聞さんは、惑星詩人協会東京ロッジのロッジマスターです。東京の状況はどうですか?これからどうなる、あるいはどうしたいですか?

東京の状況について、あまり楽観はしていないですね。新宿や渋谷を歩いていると、経済的にも文化的にも地盤沈下の途中にあるのを見ているのでは?という感じがします。南海トラフ地震、首都直下地震についても、目をそむけてはいられない。

東京に住む人、東京を拠点にして活動する人はこれから「試される」ことになるのかなと思っています。そうした状況も含め、様子を観察するおもしろさはあるかもしれません。

 

 

About Traveling

✓ 今住んでいる街とその印象を教えてください。

ここ数年は吉祥寺というところに住んでいます。賑わっていて、平和な感じの街です。土日の井之頭公園は特に人が多く集まっていて、新宿の駅前みたいになってます。

 

✓ 今まで住んだ街、訪れた街などで、特に印象に残っているのは?

東京の小岩というところで育ったのですが、結局この街の印象は自分の中に強く残っています。

 

✓ 旅の必需品は?

タロットカードです。

 

✓ 次は、どんな旅がしたいですか?

旅の機会が訪れるというのはこのさき多分あるように思うので、それに反応するかたちでの旅をしていきたいです。

婀聞マリ(あもん まり)


Contemporary Magick/Ecstasy Tarotblade  / 惑星詩人協会