【超発達回】終了のお知らせ

Text: 西原雨天 (@UtenSaibara

2020年から今年の1月まで、超発達会というものをやっておりました。

 

【超発達会とは】

一言で言えば発達障害のオンライン当事者会です。私自身を含む発達障害の当事者や、グレーゾーンの方、当事者ではないけど興味がある方などがZOOM上に集まり、毎回「発達障害と恋愛」「発達障害と家事」「発達障害と仕事」などというようにテーマを決めて雑談形式で話し合うという内容です。私はその発起人・運営者として、毎回テーマを決め、ZOOMを開いて話を始める役割を担っておりました。

 

【超発達会の目的】

超発達会は、いち発達障害当事者会として居場所を作ったり知見を共有しあったりするのはもちろん、そのほかに以下の2つの目論見がありました。

①発達障害でない人を一人でも多く味方にする

②胸を張って生きるためのマインド作り

 

【目論見①「発達障害でない人を一人でも多く味方にする」について】

昨今、発達障害の認知度が広がったことで、かえって発達障害者全般への世間の敵意が酷くなり、「発達障害被害者」の声が大きくなり、そのことによって存在を受け入れてくれる人や場所が狭まってきているようなジリ貧感があります。

超発達会は、発達障害で困っている当事者だけでなく、当事者ではあるけど社会の中でうまく生きていけてる人や、発達障害とは特に関係ない人も一緒にまぜこぜになって話せるような場として運営していました。

これは先述したジリ貧感に対する打開策として、当事者・支援者・家族だけが味方という状態ではなく、特に発達障害と関わりの強い立場ではないけど発達障害者の味方であってくれる「ふつうの味方」を作ることを狙いとしていました。そうすることで、発達障害者が社会の中で単なる邪魔者ではなく愛すべき友として扱われる機会を少しでも増やすことを目指しました。

 

【目論見②「胸を張って生きるためのマインド作り」について】

超発達会は、毎回数人で集まり、その回のテーマに沿って話し合ったり、特にテーマを設けずに雑談したりする、ようするによくある当事者会そのものですが、その中で必ず「徹底的に胸を張って生きること」に話が向かうようにしていました。

社会の中で生きづらさを抱える発達障害者ひいては発達障害界隈はえてして「我々は迷惑な存在なのだから社会の底辺で委縮しながら人生をやり過ごすしかないよね」みたいなマインドに陥りがちですが、そのような思考に根差した結論は至らないよう、かならず前向きな話で終わるように気を付けていました。

 

【結果、どうだったか】

数ある発達障害当事者会のひとつとしても、先述した二つの目論見についても、良い感じにうまく機能していたと思います。当事者とそうでない人がまぜこぜになることで、味方を増やすのはもちろん、会話がネガティブな方向に収斂していくことが防がれ、より生産的な話ができていたと思います。私自身も集まってくださった皆さんにいろいろなことを相談し、助けられることが何度となくありました。

 

【次にやりたい事】

私が超発達会で得た経験・知見を生かして次に個人的にやりたい事が、以下の3つあります。

①地球侵略

超発達会で行った「ふつうの味方づくり」は、発達障害者の立場を向上させる手段としてはどちらかと言えば間接的なものでしたが、今度はもっとダイレクトに、世の中を発達障害者が生きやすいように改造しにかかり、社会の中の様々なポジションに発達障害者が胸を張って蔓延ることを目指す、たとえるなら宇宙人が地球を侵略するかのような居場所づくりを行えればと思います。

②凡才発掘プロジェクト

発達障害者のなかでもずば抜けた才能やスキルがある人をピックアップしてそれに相応しい職を与えようという取り組みは既にありますが、私はもっと「ずば抜けてはいないけど仕事としてそこそこ成立しうるくらいの才能」の持ち主に救いの手を差し伸べるような就労支援が必要だと思っています。

世の中は本来、10人にひとり・5人にひとり・なんなら3人にひとりくらいの、凡人の域を出ない程度のそこそこの才能を活かして活躍する人達こそが最大のボリュームゾーンであるはずです。障害者であるというだけで、そのようなそこそこの才能を生かすポジションに入ることが許されなくなってしまうのは非常に理不尽だと思っております。

そのため『凡才発掘プロジェクト』と銘打って、発達障害者がそこそこ程度の才能を生かせる機会を生かせる機会を増やすような活動をいつかやりたいと思っております。

③発達障害者の相互扶助の場を「自然発生」させる

発達障害者にとって最も魅力的でイケてるコミュニティとは、「全く別の目的で集ったコミュニティが、図らずも発達障害者たちの相互扶助集団としても機能している」というようなものだと思います。超発達会は「超”発達”会」って言っちゃってるゆえに、その最もイケてる状態にはどうしても手が届きませんでしたが、次はそのような場を作るか、既にあるなら積極的に参画したいと思っております。

 

【最後に】

約4年もの間、とても有意義かつ健全な形で超発達会を続けていけたのは、ひとえに集ってくださった皆さんのおかげです。これまで本当にありがとうございました。

Text: 西原雨天 (@UtenSaibara