旅話会 : クリスタルボウルとヨガと旅

会談 : Magali Luhan(クリスタルボウル奏者) / はるか(ヨガ教師) / 磐樹炙弦(詩人)
20181117 HIKARI CLINICにて

 

磐樹:MAGALIさんと最初に知り合ったのって、そもそもなんでしたっけね?

MAGALIるみたんと共通の友達がいて、震災前の頃にるみたんを紹介してもらって、クリスタルボウルイベントにも遊びにきてくれてて。一回一緒にやろうよってことで、牧郷ラボのイベントでるみたんが詩をよみつつボウルを演奏するみたいな。

ポッドキャスト経由でバンギさんの声は知ってて、バンギさんと直接出会う前に銀孔雀いってて、銀孔雀できたての頃に演奏もしてる。熊の皮で一泊した。「バンギさんのいらん本」ていうコーナーがあって…岡山が初かな?いつだろう…少なくとも銀孔雀以降、ですね。

磐樹:るみたんと共通の友達って、めろんさんとか?

MAGALI黒田晶さん。

磐樹:晶たんね!小説の賞とったんだよね。でもまー晶たんもるみたんが当時やってた魔女グループのメンバーだったり、じゃ本当にあの辺、およそ7、8年前の、いま起きてることの根っこの人脈が一番形成されてた頃のあれだね。

MAGALI:おれが青二才みたいな感じでやってた頃の繋がりが、今も脈々と。

 


 

磐樹:はるかさんは、そもそもなんで今日ここにいるんでしたっけ?

はるかフローティングタンクに入ろうと思ってきたのね。ボウルのイベントの後にタンクに入るというスペシャルコースを考えて。

磐樹:けどタンクメンテ中だった、と(笑)。

はるか:ボウルに初めていったのも、本当にただの気まぐれで。たまたま大阪に引っ越してきて暇やなーなんか面白そうなものないかなーていってみたら。

MAGALI:面白いって感じるのが凄いよ。全然わかんないけど言ってみよう、お金払おうっていうのは少数だと思うよ。

はるか:そういうのこそ払いたくなりません?面白いていうか、興味、好奇心。見たことないけど、たぶん私好きなやつ、ていう。

MAGALI:知ってるものに金払うのは多いけど。ご飯食べるのもまず食べログとかみるじゃん。星三つだったらいかねー、て。

磐樹:けどさ、行ったことある街しか旅しない人って少数派じゃん。どっか旅行いこうかなってなったら、普通いったことないとこ行くでしょ。だから旅人気質なんじゃね。

はるか:旅人なのは間違いない。

 


 

磐樹:なんとなく、ヒッピーカルチャーとかニューエイジとか好きだったとか、そういうことでもなくて?

はるか:オーストラリアいた頃に、ヒッピーと一緒に一ヶ月くらい住んでて。ニンビンに。

MAGALI:ヒッピーしかいないとこじゃん(笑)。

はるか:本当はバイロンベイで、ヨガのインストラクターになろうとしたんだけど、隣にニンビンてとこがあるよって。ちっちゃい街だから一日あれば十分だからさらっといってきなよ、て言われて行ってみたら、なにこれ楽しい街、てなって(笑)ヨガそっちのけでヒッピーと遊んでて。7年前?

磐樹:バイロンベイにはユキさんていうオーガナイザーがいて。あとバイロンベイにビリーていうおじさんがいて。

MAGALI:ビリーいっぱいいるでしょ(笑)

磐樹:久しぶりに旅人っぽい話だね。どっからともなく、どんなご縁かわからないけど、話してる、ていう。

MAGALI:微妙に被ってたりね。おれ、ユキさんが2009年にオーガナイズした皆既日食を観に行こうツアーの船に乗ってて、そこでボウルやってたの。そしたらそこに遠迫先生が乗ってて。

磐樹:そこで会ったの?

MAGALI:会ってないのよ(笑)お互い知らなくて、Youtubeで映像みてたら、あれ、これ遠迫さんじゃん、て。かつ遠迫さんが撮ってたビデオにおれが映ってて。船ではキッズルームにいたんだけど、たぶんそこで遠迫さんのお子さんとも遊んでるんだよね。

はるか:微妙なところでみんな、すれ違い(笑)。

 


 

MAGALIHIKARI CLINIC、まだなかったんじゃない?

磐樹:ギリギリなかったくらいじゃない?2009年。

MAGALI:すごい昔からある風に感じるけどね。

磐樹:もともとおれと遠迫先生は、お互いのブログをなんとなく意識してて、2004、5年くらい? 会ったことないけど被ってんなーと思ってたら、遠迫先生が東京に会いにきてくれて、超意気投合して。

で、震災があって、東京からどっか引っ越そうと思って、最初は四国行こうと思ったんだけど、神戸経由でこうやって淡路島通る経路があった筈なんだけど、Yahoo経路案内でどう検索しても岡山経由になって。これはメッセージだろう、と思って(笑)岡山で遠迫先生に挨拶していこうと思ったら、部屋借りてもう8年ですよ。

MAGALI:その時はクリニックでは働いてなくて。

磐樹:最初はうちの嫁さんがタンクの番人してたのね。嫁さんがカフェの仕事で忙しくなって、じゃおれ暇だからやろうかなって。それから3年くらい。適当だよね。就活とかが全然ない人生。キャリアアップとかそういう要素がゼロ。

MAGALI:入社試験とかないもんね。

磐樹:面接とかないもん。

MAGALI:面接ってのも信用ならんからやるわけであって。なんかしらこいつは信用できるってのがあればね。

磐樹:順番が逆だよね。面接したから信頼が生まれるわけでもないし。

 

旅人暮らしのGood and Bad(1)

 

磐樹:じゃ、旅人的な暮らし、ていうね。ソラーサードのテーマに寄せていくと。なにが秘訣ですかね。まずGood and Badいってみますか。旅人的な人生を今まで過ごしてきましたが、まずGoodは?


Magali Luhan

 

MAGALI:今ボウルを抱えて、ちょいちょい色んなとこ巡って、まぁ仕事で回ってる感半分、旅で回ってる感半分ありつつ。いろんなとこにいける面白さとか、いろんな街に知り合いがいる安心感とか。

新幹線でがーと西にやってきて、あ、ここ誰それ住んでる、てのは案外安心感で。東京崩壊してもさ。それぞれの街にそれぞれの人が暮らしてんだなーていう、ここで暮らすていう選択肢もあるのかなーていう。

磐樹:どっか引っ越すつっても、知り合いが一人いるかいないかは大違いだもんね。震災後に東京から九州とかいっちゃった人も結構いて、その後はおれも別府や熊本に知り合いがいる訳で、なんならおれもそっちいって占い師でもなんでもできるよね。

はるか:いろんなとこにいきたいなと思って生きてたら、思いがけない偶然みたいな、こんなタイミングでこんな面白い人とこんな経験ができるの!? ていうのがもの凄いいっぱいあってね。

最初から「これをしよう」てゴール決めて向かっていくよりも、横道にそれた道草の方がめちゃくちゃ面白くて、どんどん逸れてもっと面白くて。それがたまらないですね。

MAGALI:サブストーリーのほうがメインストーリーより面白い。もともとなんの話だっけ、ていう(笑)。

磐樹:メインストーリーがなんだかわかんなくなるよね。なんだっけなーて。偶然すごいことが起こる、ていう感覚はたぶん凄い多いと思うけど。他の人生生きたことないから、実際のところどれくらい偶然が多いのかわかんないけどね(笑)。

MAGALI:そこは、楽しむてことの技術ってのが絶対あると思う。旅行いってもセブンイレブンとマクドにいく人もいるじゃん。安心感から。そうじゃなくて、知らないところに入って楽しめるかって結構、訓練できる技術じゃないかなーて。そういうのは旅慣れた人から教えられるのかもね。

 


 

磐樹:2000年だか2001年だかに、ザンビアの日蝕パーティにいったのね。さっきでてきたビリーてのといってね、告知されてたDJ誰もこなくって、地元のレゲェのにいちゃんがずっとやってて。

そんでビリーといくじゃん、じゃまたね、てパーティグラウンドを別々に遊びに行くのよ。1時間くらいぶらぶらしてて、360度地平線みたいなとこでだんだん日が落ちてきてさ、そしたら地平線の向こうから、こっちに向かってまっすぐ歩いてくる一群がいて。もちろんビリーたちで(笑)。

旅してると偶然が起きるって、そういうことじゃん。確率的にはあり得ないわけよ。だだっぴろい野原でさ。こういうことを引き起こす秘訣みたいのが、ヒッピーやトラベラーたちに継承されてるんだと思う。

MAGALI:なんかつまんないものでも楽しめる技術ていうか考え方はすげー役に立ったなと。昭和のプロレス的な。昭和のプロレスってぶっちゃけ、シラフでみたらつまんないじゃん。黒いパンツを履いたおっさんたちがパチパチ殴り合ってるだけで(笑)。

でもあれを面白いんだ、て信じる心とか、面白さを表現する力ってすごいなと思って、ボウルもそうなんだけど、他人はあまり興味をもってくれない、でも自分は好きっていうものを、どうアピールしたら人に面白がってもらえるかっていうのが、結構今の人生に影響してるかも。

磐樹:子供の時プロレスみてるときは、シナリオのある演技なんだって知らないから、親とかにいわれても「そんなわけはなーい」つって。けどよく考えたら、そうきて、こうきて、こうくるよねーブレーンバスター、みたいのをさ。

MAGALI:毎日やってるわけだからね(笑)。

 

アカシックプロレス

 

磐樹:旅の偶然とか人生の不思議も、もしかしたらそういうことかも知れないね。全部アカシックレコードにシナリオが書かれてる運命のドラマで、心のどっかでそれを知ってる、勘付いているんだけど、生きてる最中は「シナリオなんかなーい」て思ってて、ハラハラドキドキしてみてる。

だからロープに振ったら跳ね返ってくるよね、ていうのを無意識にやってるのかも。その無意識のプロレスにのっていく、てことかも知れませんね。アカシックプロレス。

はるか:寄り道が実は正しい、仕組まれた道。転がされてる感は凄いある。

磐樹:どっかの方向に導かれてんなーみたいな。どの方向ですか今は?

はるか

 

はるか:今ちょうど「死ねよ」ていわれてる(笑)。 なんか人生の変わり目みたいな時って、凄い体調悪くなったり、なんか上手くいかなかったり、ちょっと「あなたここで一回死んで、もう一回生き直しなさい」みたいなそんな時期に、死ぬの怖い怖いていってたら、もっともっと「あなたまだわかんないのね」てひどくなって、抗えば争うほど苦しいから、仕方ないから死ぬよ、て覚悟きめたら、ちょっと楽になる時ってないですか?

磐樹:ある。おれが大きかったのは震災だね。ずっと東京でクリエイティブ職やってきて広告賞も貰ったのにさ、全部やめて、岡山で占い師やるのおれ? みたいな。でもそれでいいやと思ったんだよね。そっちのほうが本当はおれやりたかったかもって。死ぬ感じってそんな感じじゃない?

はるか:私も311は東京にいて。その時死にました。死んでヒッピーと遊ぶようになって。

磐樹:それまで全然ヒッピーじゃなかったんだ(笑)。

はるか:全然。

磐樹:その時、手放したものってなんだったんですか?

はるか:ヘアメイクのアシスタントしてて。仕事と暮らしと、、、その時の彼氏と。

磐樹:彼氏も手放したんだ(笑)。それが8年くらい前でしょ。んで、今もまた「死ね」みたいなことに?

はるか:今月インドで死んでくるの。

磐樹:毎回楽しそうに死んでますね。

はるか:死ぬ過程も楽しいんだよね。はじめて行くんです、インド。

MAGALI:はじめてで四ヶ月って凄いね。

はるか:絶対好きだよ、て言われて。むしろなんで今まではるかちゃん行ってないのって言われて。

 

旅人暮らしのGood and Bad(2)

 

MAGALI:普段なにやってんですか、て訊かれた時に説明しづらい。

磐樹:おれしづらいからもう、詩人ていうことにしたの。全部言えないじゃん。詩人だったら全部含んでるしさ。

MAGALI:普段、ていわれても、てところからね。

磐樹:普段、何もしてないです、みたいな。ちょっと言い難い。皆さんのいう意味では働いてないよね。

MAGALI:普段は、飯くって寝てます、ていう。説明しづらい、申し訳ない、ていうね。一応まぁ住所はあるから、住所不定無職ではないので、税金も払ってるし…

磐樹:おれは先の予定が立ちにくいかな。3年後の予定とか決められなくない?

はるか:私は明後日もあやしい。

MAGALI:早くインドいったほうがいいんじゃない(笑)。

磐樹:おれは一ヶ月くらいは把握するよ(笑)。 けどそっから先が決められない。おれ車の免許持ってないんだけど、引っ越してきたら免許欲しいじゃん。じゃ免許取りに行きたいなと思っても、いつ行くか決められないのね。

MAGALI:合宿免許ですよ。大学生に混じって。

磐樹:合宿とか無理じゃないかなー。途中で逃げたりするんじゃないかな。

MAGALI:沖縄の日本最南端の合宿免許教習所ってのがあって、そこは楽しそうだったよ。

 


 

はるか:旅人同士の感覚を、旅人じゃない人と共有しようとすると、初対面で普通に話してるつもりでも「この子大丈夫、酔っ払ってるの?」みたいな。言葉わかっても話が通じないみたいな感覚があるなーて。

MAGALI:先日ご飯を食べにいったのね。一緒にいった人が全然メニュー決められなくて、めんどくさいからぱーて決めておれ先に食べてたの。そしたら「ほんと自分勝手だよね」て言われて。

磐樹:面倒臭いねそれ(笑)。

MAGALI:そういう人は旅ができないんじゃない。決められないとか、自由であることをよしとしない、ていうか。

磐樹:自由であることをよしとしない、ていう価値観はあるよね。

MAGALI:日本人って協調性ていうけど、本当は同調圧力だよね。

磐樹:決して協調してないよね。ハーモニーていうかユニゾンで、ユニゾンだからちょっとズレてると怒られる。

MAGALI:協調がうまい相乗効果を生んでないていうか。全然メニュー決められない人に怒られた時の悲しさたるや。そのへんの感覚の違いがたまに面倒かもね。

 

今まで行ってよかったところ

 

磐樹:今までいったところで一番よかったとこは?

MAGALI:泊まって一番好きだったのは、サンフランシスコのグリーントータスていうモーテルが、本当にいい場所だった。

磐樹:モーテルがよかったんだ。グリーントータスが。

MAGALI:あの宿は最高。ドミトリータイプで安くって。なんだろうなあの感じは… すごいピースフル満点な空間で。週3回フリーディナーの日があって、その日はキッチンは自由に使って、皆んなでワイワイご飯つくって食べて、みたいな。最後いったの2014年。

磐樹:何度もいってるんだ。

MAGALI:すごい昔からあって。おれは参加したことがないんだけど、グリーントータスバスツアーてのがあって、バスで寝泊まりしながらアメリカの観光地を巡る、てのがあって、すごい行きたい。そういうのを高校生とかの時にしときたかったな。

 

磐樹炙弦

 

磐樹:おれは体験としてショッキングだったのはやっぱりアフリカだけど.. あれを抜きにすると、街で印象的だったのは…シンガポールかな。シンガポール綺麗で。あんまり汚い人とかいなくって、厳しいのね。都市国家で、インド系と中国系とマレー系ていう3つの民族、宗教、文化が仲良く暮らしてる。道も綺麗でスラムもない、貧民もいない。

けど街のあらゆる場所に、同じ警察のポスターが何枚も貼ってあるのね。同じ警察官に「ダメ!」て見つめられてるなかで、みんな大人しく暮らしてる感じ。めちゃくちゃ景気いいし。見えないカオスみたいな。なんかボンデージできゅって締め上げた変態、みたいな(笑)。

でもベースにあるのは、チャイナマレーヒンドゥていう異なる文化がなんとか仲良くやってこう、ていう歴史の街だからさ。なんか豊かなんだよね。屋台でうまいもの食えて。

はるか:うーんとね、ポルトガルがすごいあったかくて好きだった。気候もだけど、人がすごいあったかくて。ちょっと道訊ねると、隣のベンチに座ってたおばちゃんから通りすがりのおにいさんから、みんなで総出で助けてくれるの。

ポルトガルいくまえにスペインのトマト祭りとイビザ島でクラブはしごしたあとだから、なんだこのあったかさは!?て(笑) すごい沁みました。4年前? もう4年前か。

磐樹:ここしばらくベルリンが熱いつってたけど、プログラマーとかヒッピーとかが今はベルリンだけじゃなくて、どこいってんのつうとポルトガルなんだって。

田舎の方を国の方針で外国人が巨大な土地を所有できるようにしてあって。海辺の村くらいの土地を外国人が買って、本当に村つくっちゃって、ネットさえあれば稼げるよ、みたいな人がポルトガルにいって村つくってる、て最近ききました。

はるか:何千万かの家を買ったら永住権もらえるみたいな。

磐樹:それだ。外国人に優しいよねポルトガル。なんで?

MAGALI:鉄砲伝来時代から?

はるか:カステラおいしい。

磐樹:食べ物美味しかったのはマドリッドだね。あと夜危ない目にあったのもマドリ。だからすごい好きだね。貧乏な少年が「チーノ、チーノ」て。おまえらチーノのせいでおれ仕事ない、みたいな、酔っ払い少年に絡まれて。レイシズム、貧困、みたいのに夜中の路上で出会うのね。

たまたま周りにトラベラーがいっぱいいたから、相手にすんなって言われて、本当に相手にしなくてフリスビーしてたんだけど。あんまり他の街でそういうの経験ないからね。ある?露骨に敵意むけられたこと。

はるか:カフェでWiFiつかってたら、他の人にはなんにも言わないけど私にだけ「ワンドリンクだけじゃ…」て(笑)。

磐樹:それ、そうかもね(笑)。

MAGALI:よっぽど重いものダウンロードするように見えたのかな(笑)。

磐樹:そういう敵意と美味しいものを同時に体験すると、すごく印象に残る。別ルートで行ってマドリで落ち合った女の子とちょっといい雰囲気になったり。美味しいもの、ときめき、危ない目が全部体験できたのがマドリ。

 

MAGALI:人間の根源的なものに関係する記憶は深いんだろうね。

 

次、いきたいところ

 

磐樹:はるかさんは、もう決まってるからね。

はるか:インドね。

MAGALI:絶対インドから帰ってこない…タイいってカンボジアいってミャンマーラオスってそこらへんでグダグダして…

はるか:帰ってくるよ!

磐樹:最終的にはブータンとかでお土産やさんやってたり。

MAGALI:「ふしぎ発見」でこんなところで日本人、みたいなね。

はるか:いまめっちゃヨガがしたいの。それでインド。

MAGALI:いまやゴアもヨガをしにいく場所っていうのがカルチャーショックも半分あり。ヨガライセンスをとりにゴアにいく、ていうのがあって。ヨガやってますっていう女の子がいく場所になってるのね。

磐樹:合宿免許みたいな。MAGALIさんは、どっか次いきたいとこは?

MAGALI:モアイはずっと見たいなと思ってるんだけど、あそこいくと一週間滞在しないといけないのね。飛行機の都合で。3日に1度、飛行機が飛ぶのかな。とにかくイースター島に一週間いなきゃいけなくて。

磐樹:イースター島に一週間は微妙だね。最後の日とか腹たててるかもね。寝てたり。

MAGALI:モアイの微妙な違いを見分けたりね。

磐樹:イースター島てのはどこにあるのあれ。

MAGALI:チリのね、ビーチリゾートのね、、、タヒチだっけ、そういうチリのビーチリゾートを経由して飛行機でいくのね。まぁまぁ不便かつ一週間いなきゃいけなくて。3,4年前にいった青ヶ島またいきたいなと思ってて。東京から船乗り継いでいける島なんだけど。絶海の孤島ってちょいちょいテレビでてるんだけど、ひどい島なのそこが。

磐樹:ひどい島、青ヶ島(笑)。

MAGALI:民宿もあるんだけど、おれはキャンプしにいったのね。そしたらまず船で着くんだけど、船で着いたとこからキャンプ場まですっげー山道を1時間くらい歩かないといけなくて、キャンプサイトから飲み水を手に入れるまで、やっぱり山超えて2時間歩かないといけないの。2時間歩いた先でやっと飲み水を手に入れて、かつそこで初めて地図が手に入る、というひどい島で。

あれは極限大変だったけど、面白かった。キャンパーにあんな優しくない島はない。東京から船で八丈島まで一晩かけていって、八丈島から貨物船みたいなんで4時間くらい。

磐樹:くる人いるの?

MAGALI:まずいない。

磐樹:なんでいったのよ(笑)。

MAGALI:なんも情報ないし、ひどそうだな、と思って。

磐樹:この記事読んで、行く人がいるだろうね。

MAGALI:キャンプサイトから集落まで2時間かかるから、買い出しもなかなかいけないのね。火山の島なんで地熱ですごい湧いてるサウナみたいな。

地熱の蒸気で調理ができるんだけど、東京から芋持っていって、しばらく芋ばっかり食べて。久々に米食った時の旨さが半端なかった。「芋は米にあらず、米は芋にあらず」ていう。

磐樹:なんか言ってるようでなんも言ってないね(笑)。

MAGALI:それを書きたくなるくらいだった。

磐樹:温泉ないの?

MAGALI:地熱の蒸気をサウナにしてるんだけど、大自然のサウナだから、サウナって水風呂あるじゃん。あれが熱いの。

磐樹:逆に大自然のサウナおれ入りたいかも。

MAGALI:すごい楽しいんだけど、シャワーも全部熱いから、アチアチって。

磐樹:ひどい島だね!

MAGALI:人は誘えないんですよ。生きるか死ぬかみたいなだから。何日もいるとだんだんヨレヨレになるから、集落いって「すいません水貰っていいですか」ていうと「水道、外にあるんで」て車洗う水道みたいの指さされて。

磐樹:まぁそんなとこまでキャンプしにくる人に優しくはしないよね。おれもしないと思うもん。絶対なんかワケアリじゃんね。車借りればいいじゃん。

MAGALI:キャンパーに貸してくれないのよ。キャンパーに車貸すとそれで寝泊まりして、快適すぎると居着いちゃうっていうのを警戒してるんじゃないかな。

 

クリスタルボウルの旅

 

MAGALI:実はボウルもそういう旅話するのに似ていて、自分が初めて体験した時にすごい面白かったので、それを人に伝えて同じように面白がってもらいたいな、てのが一番最初で。

磐樹:青ヶ島みたいなもんだ。

MAGALI:じゃどうやったら人に伝えられるんだろう、ていろいろ考えて行って、いろんなスタイルで演奏して、いろんな人とコラボして。ボウルやってんのも旅でてるのも似てるところがあって。

要は一回日常を離れて、自分を見つめ直すとか、フラットな状態に戻りたいていうか。旅してるとそれこそ荷物も全部リュックに入ってて、必要ないものは持ってないし、必要なかったらどんどん捨てるし、知らない土地、わかんない言葉でどんどん自分に意識がフォーカスしていって、本当に自分の好きなこととか、あれやんなきゃな、とかがわかったりする。

それと同じことをボウルの音の繰り返しのなかで起こすような、そういう体験をいまつくってるところですね。

磐樹:そんなクリスタルボウルの旅、今日の旅はどんな感じだった?

はるか:いつもなんですけど、時間の感覚も、床と私の境目も、空気と私の境目も、全部なくなっちゃうんですよ。タンクみたい。気がつけば、あ、終わってる、て。

磐樹:自分を見つめ直しました?

はるか:見つめ…見つめる前になんか溶けちゃったかな(笑)。

MAGALI:自分の意識のすぐ側に、違う意識、変性意識が存在するんだ、とか、自分のなかには心地よさを感じる力があるんだ、てことを知るのも大切だなと思って。

磐樹:それが感じられなくなってくると、心療内科の領域になってくるんだろうね。もともと知ってる人は、なんてことのない、いつものことみたいなことなのかも。

はるか:私先週ヨガの先生デビューしたんですよ。

磐樹:じゃクリニックでもやろうよ。インドで修行して春に帰ってくるヨガの先生ってすごい期待感あるよね。ヨガティーチャーとしてのプロフに「インドで修行してくる予定」て書けるの、今しかないよ(笑)。

はるか:旅人ヨガ。

磐樹:話がはやいのも旅人のグッドポイントだよね。

 

Magali Luhan / Web
00年代初頭から、古代のシャーマンや精神探求者が追い求めた世界を夢見て、さまざまな手法を用いて深い意識やヒーリングへのアプローチを行う。そこで得られた体験とクリスタルボウルの体験が非常に近いことに衝撃を受け、2005年よりクリスタルボウルの活動をスタート。毎月の定期イベントのほか、各種コラボやリトリート、完璧な暗やみ空間など、全国各地で年間100回を超す演奏を行う、旅するクリスタルボウル奏者。
はるか / Instagram / Facebook
英会話の先生したりするヨガの先生したり ふらっと旅に出てみたり。 2018年11月末からインドでヨガの修行予定。 特技は寄り道。猫が好き。
磐樹炙弦 / ばんぎ あぶづる / Web / Twitter / Instagram
現代魔術研究・翻訳 / ディジュリドゥ / ヨガ / 詩人。惑星詩人協会フェロー。